5.ドラマの挿入

次はドラマです。

…といっても、普通はこんな別々に考えるモノではないのですが。
ドラマはキャラにもストーリーにも関わってくるもの。
本来なら同時進行で考えなきゃいけないものなんですけど…。

まぁ今回は、特別に分かりやすくってことで。

今回の恋愛モノには、右ページのようなドラマを用意してみました。

友人は小学校時代からの大親友。
そんな親友と好きな子が付き合うこととなる。
それを知った主人公は思い悩むが、親友との今までの友情と、女の子の「親友が好き」という気持ちを思い出し(共感し)、結局は自分の気持ちを押し殺して二人を祝福する・・。

ドラマにはいくつかのパターンがあります。

 ・意見の対立
 ・対立からくる和解
 ・対立からくる破局
 ・ライバル
 ・信頼
 ・裏切り
 ・別れ
 ・憎しみ

…などなど。

色々ありますが、これは全て人間関係の中から生まれてきます。
そしてここでも大事なのは感情移入。
キャラ同士の感情移入、すなわち共感こそが、ドラマを作る上で最も大切なのです。

例を挙げるとすると・・・

クラスの中心的存在のA君。
転校生のB君の事が気に入りません。
B君は無愛想で、いつまで経ってもクラスに馴染もうとしないから。
最初は話しかけてたA君も、次第に話しかけなくなっていきました。
ところがある日、A君はB君が捨て猫に餌をあげているのを目撃します。
それはいつもの無愛想なB君からは想像もつかない光景でした。
「意外といいトコあんじゃん…」
B君を見直した(共感した)A君は、翌日から再びB君に話しかけるようになりました。

このように、あるキャラが別のキャラのことを理解する事を「共感」と呼んでいます。
この共感こそが人間関係のベースであり、引いてはドラマ作りの最も重要なファクターとなるのです。

それではこの「共感」を交えて、上のドラマのパターンを分析してみましょう。
▼ドラマの始まり▼
▼ドラマの結末▼

<意見の対立>
違う信念や性格を持つキャラが2人登場すると、必ず対立が生じます。
その中から和解と破局という結果が生まれます。

<対立からの和解>
対立していた二人が、何かしらのきっかけでお互いを理解(共感)し、仲良くなるドラマの事です。
今までこうだと思っていた相手の、意外な一面を発見したりとかして…。
少年誌ではこのタイプのドラマが大多数。
基本的にはある部分で共感しあいながら、ある部分では対立したままってパターンが多いようです。

<対立からの破局>
これは共感が完全に断たれた状態。
犬猿の仲、不倶戴天の天敵。
こういう二人が一同に揃うと、そりゃもうえらい事に。
周りもドキドキハラハラ、気が気じゃないはず。
恋人同士とかのドラマだと、少しは共感関係がありながら、でも恋人同士には戻れない、みたいな。

<ライバル>
これは和解と破局の組み合わせ。
スポーツマンガでは常套手段。
目指すもの(金メダルやチャンピオンの座など)は同じなので共感関係は成り立つ。
だがその目指すものはひとつしかない。
だから二人は敵同士、ってな感じですね。

<信頼>
これは完全に共感関係が成り立った状態の事です。
お互いがお互いの事を理解し、信頼しあっている関係。
このドラマで見せるには、どちらかをピンチにしてやることが必要です。
そのピンチの中で、どれだけ相手を信頼していられるか、裏切らずにいられるか、そういう見せ方をするドラマですね。
あと例外として、無償の愛を持ったキャラとかだと、共感関係がなくとも信頼が成り立つ事もあります。
子供の無邪気な信頼とか…。
子供を使うとホント泣けるエピソードになりますよね。

<裏切り>
成り立っていた信頼関係を断ち切るドラマ。
こうだと思っていた相手が、実は違っていた。
相手の意外な一面を、悪い意味で思い知らされる。
裏切りと言っても様々なパターンがあり、それに対するアウトプットも様々。
もう二度と許せないと思う事もあれば、認識を改めて新たな共感関係を築く場合も…
あと<信頼>と組み合わせると効果的。
相手が自分を裏切ったかもしれないと疑惑を持ったとき、それでも相手を信頼できるか?
どこまで共感関係を保っていられるか?
恋愛モノでは常套手段ですね。

<別れ>
キャラ同士の別れ。
共感関係にあった相手がいなくなる、泣けるエピソードNo.1です。
転校、出張、死別など。
特殊なとこだと記憶喪失とか…。

<憎しみ>
この中では唯一、共感とは無関係でも成り立つドラマ。
家族を殺した相手に対する憎しみとかは、そのキャラの中だけで作れるモノ。
だから読み切りのキャラ立てとかで、このドラマはよく利用されます。
読み切りではページ数が限られているため、手っ取り早くキャラやドラマの成り立つこのパターンが多いのです。
…とはいえ。
これもやはり共感を利用したほうが、ドラマはグッと深まります、
例えば、殺された家族とはどれだけ仲がよくて、どんな共感関係にあったのか?
これを描いてやれば、そのキャラの憎しみは一層際立つハズ。
悪役を描くときもそう。
悪い奴を出すときは、そいつのせいで困っている人間もセットで出します。
ヒーローはその困っている人間に共感し、悪い奴を倒そうとするわけです。


…とまぁ、こんなもんでしょうか?

とにかく、ドラマ作りで大切なのはキャラ同士の共感です。
キャラを作るとき、まず考えなければいけないのが「読者をこのキャラに感情移入させる」という事。
それと同じ手順で、キャラ同士の共感も描かなければいけません。
読者は主人公の目線を通して、他のキャラに感情移入するからです。

あと、ドラマ作りで大切なのは「結末を書く」と言う事。
人間関係に変化があったとき、それがキャラたちに何かしらの心境の変化をもたらします。
その変化を、なるべく分かりやすく読者に伝えるように心がけています。
この結末を描かないと、ドラマを入れた意味が全く無くなってしまうので…。

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