2.感情移入回路の形成

まずは動機付けです。
キャラクターの行動に動機を付けましょう。

ルフィーが海賊王を目指すのは、自分の夢とシャンクスとの約束から。

一歩がボクシングをするのは「強いって事が何か?」を知るため。

ガッシュが優しい王様を目指すのは、それで皆が幸せになれるから。

そういう大きな目的だけでなく、何をするにもキャラクターには動機が必要です。

飯を食うのは腹が減ったから。
走ってるのは急いでるから。
寝るのは眠いから。

どんな些細な行動にも、徹底して動機をつけましょう。
コレが読者を感情移入させるのに絶対必要な条件です。

独りよがりと言われる作品はコレが出来ていません。
マニアックと言われている作品もそう。

キャラの動機付けがきっちり出来てないから、感情移入できる読者が限定されてしまうのです。
編集さんにダメ出しを受けたときも、大抵この辺りに原因があります。
そういう時は、徹底してキャラの行動をチェックします。
キャラのセリフ一つ一つ、なぜそう言ったのかを考えてみます。
細かい直しで煮詰めていく段階になるまでの直しは、大概これで片がつきます。

編集さんの言うことに惑わされてはいけません。
動機が作れてないか、もしくは弱いか…。
動機が読者に伝わっていないか…。
最悪、行動自体が間違っていることもあります。

必ずどこかに矛盾があるはず。
ほとんどの直しの原因は、必ずここにあるのです。

…で、今回の恋愛モノ。
男の子が女の子に告白する。
つまり男の子が女の子を好きになった動機を描かなきゃいけないワケです。
というわけで、今回はナイチンゲール現象ってのを利用しました。
看病してくれた看護婦さんを好きになるってヤツです(…あれ?逆だっけ?)。

ありがち?ショボい?
確かに…。
でもいいんです。
無いよりはぜんぜんいいのです。

間違いやすいのは、「動機」と「理由」の混同。
この恋愛モノで言うと…。

主人公が女の子に告白する「理由」は、女の子の事を好きになったから。
女の子を好きになった「動機」は、怪我の手当てをしてくれたから。

「動機」とは、そのキャラの心理が変化した瞬間の事。
これを「理由」と混同し、「理由」だけで終わらせてしまうことが多い。

「理由」があれば、読者は理解してくれる。
ですが本当に感情移入させるには、「動機」まできっちりと描かないといけません。

この勘違いは本当によくやります。
いまだによく間違えてしまいます。
でも、それでは駄目なのです。
特にキャラを立てるエピソードでは、ここをしっかりやらないと、作品全体をぶち壊してしまう恐れがあります。
とにかく慎重に、慎重に…。

動機は必ず必要です。
特に、複雑な行動を起こすときは要注意。
これでもかというぐらい描かないと、なかなか感情移入してくれないからです。

現実の世界では、動機の無い行動もあり得るかもしれません。
ですがマンガの中では、それは許されないのです。
許されるとすれば、動機が無いのではなく、省略しても大丈夫という場合のみ。
生理的欲求とかなら、省略しても分かってくれるでしょう。
それでも、省略してるという意識を持ってやらないといけません。


…とはいえ、言うのは簡単。
これがなかなか難しいのですが…。

動機をきっちり描き、読者を感情移入させる。
ストーリーを考える上で、コレが一番難しい部分だと思ってます。

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